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「やぶ医師のひとりごと」 肺炎の治療

「やぶ医師のひとりごと」 肺炎の治療

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 ◆  やぶ医師のひとりごと    第 370号  ◆
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   2013年3月8日発行 購読者数 8722名
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  <本日のテーマ> 肺炎の治療
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皆さん、こんにちは。

今回から購読して頂いた方、はじめまして。

循環器内科医のDr. Iです。



今週も「肺炎」について。

まずは、先週までの復習。



 ●肺炎とは

  ○肺に細菌やウイルスが入って、炎症が起きる病気。

  ○肺炎の症状は、高熱、咳、痰、など

  ○日本の死因の第3位が肺炎で、年々増えている。

  ○肺炎で亡くなる方のほとんどは高齢者なので、

   特に高齢者の肺炎は要注意。



 ●肺炎の種類、原因

  ○感染性肺炎

   ▲細菌性肺炎

   ▲ウイルス性肺炎

   ▲マイコプラズマ肺炎(非定形肺炎)

   ▲真菌性肺炎

  ○感染性以外の肺炎

   ▲リウマチ、膠原病、薬剤などが原因の

    間質性肺炎など。



 ●肺炎の症状

  ○咳、痰

  ○高熱

  ○呼吸困難、食欲低下、胸痛、など



 ●肺炎の検査、診断

  ○問診

  ○身体所見の診察

  ○胸部レントゲン写真

  ○胸部CT

  ○血液検査

  ○培養検査



肺炎というのは、肺に炎症が起きて、

咳や痰、高熱、などの症状が出る病気です。



日本の死因の第一位はガン、二位は心疾患、三位は脳卒中、

というのが、ここ20年位続いていたんですが、2011年

からは、肺炎が第三位になって、どんどん増えています。



そんな肺炎の原因として最も多いのが細菌で、

特に肺炎球菌や黄色ブドウ球菌などの細菌が多いです。



肺炎の症状で多いのは、咳、痰、高熱などで、

重症になると呼吸が苦しくなるし、脱水になると

全身がだるくなって、食欲が低下する事もあります。



肺炎と診断するために最も重要なのは問診で、

それ以外に胸部レントゲン写真や胸部CT、

採血や痰の培養検査なんかも行いますよ、

って話でしたね。



  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆    



そいじゃあ、今週も肺炎について。

今日は、「肺炎の治療」についてです。



 ●肺炎の治療

肺炎っていうのは、基本的には適切な治療を行えば

治る病気なんですけどね。

治療が遅れると、重症になって命を落とす事もある

こわーい病気なんですよ。

実際、日本の死因で3番目に多い病気だしね。



そんな訳で、今日は肺炎の治療について書いていきます。



肺炎の原因のほとんどは「細菌(ばい菌)」です。

細菌が原因で肺炎になる訳ですから、

根本的な治療は細菌を殺す事です。

こういうのを、原因療法とか根治療法と言います。



細菌を殺す薬、っていうのがあってそれらの薬は、

抗生物質とか抗生剤、抗菌薬と呼ばれます。



「抗菌薬」っていう名前が一番わかりやすいですよね。

菌に対抗する薬って事で、細菌を殺す薬です。



でも、細菌と言っても、いろんな種類があるんですよ。

肺炎の原因で最も多いのは、肺炎球菌という細菌で、

それ以外にも黄色ブドウ球菌やインフルエンザ菌、

それに緑膿菌やMRSAという細菌なんかもいます。



それぞれ違う細菌なので、効果のある抗生剤の種類

っていうのも実は違うんですよ。

まあ、一つの種類だけあったらそれが全部に効く

なんて万能の薬があるはずないんですけどね。



そこで大事になるのが、肺炎の診断の時にも出た

「痰培養」という検査です。



これは、痰の中にいるかもしれない細菌を培養して、

どんな細菌が原因なのか、ってのを見つける検査です。



普通の人が町中というか外なんかで肺炎になる場合、

こういう一般的な肺炎の事を市中肺炎、って呼びます。

町の中でも市の中でも、関係ないんですけどね。



んで、病院の中で肺炎になっちゃった、

というのは「院内肺炎」という呼び方をします。



市中肺炎の場合、原因となる細菌で最も多いのは、

肺炎球菌という細菌です。

それと、ブドウ球菌なんかも多いです。



だから、一般の人が普通に肺炎になった場合は、

治療としてそれらに効くような抗生物質を使います。



一方、病院の中で肺炎になった院内肺炎の場合は、

その人とか周りの人が抗生物質を使っている、

という事も多いので、普通の抗生剤が効かない事が多いんです。

こういう細菌の事を「耐性菌」と言います。



院内肺炎の場合は、耐性菌の可能性が高いので、

普通の抗生剤を使っていたら、治るまでに時間が

かかってどんどん悪化する事もあるんですよ。



だから、院内肺炎の場合は院外というか市中肺炎の

時とは別のもっと強い、というか広く効く抗生剤

というのを最初に使う場合が多いです。



ちなみに、よく「強い薬」という事を聞くんですが。

抗生剤(抗生物質)に関しては強い薬、

というものはありません。



いろんな菌に対して効く、という意味では

強いという言い方も間違ってはいないんでしょうけど。

基本的には、幅広い細菌に対して効果がある、

という意味で、「広く効く」という言い方の方が

適している、と思います。



話は戻って、市中肺炎でも院内肺炎でも、

どの細菌が原因で肺炎になったのか、というのは

痰培養で調べてみないとわからないんですよ。



確率的にこの細菌が多いだろうな、

という事はある程度予測できるんですけどね。

だから、痰培養の検査をする事が非常に重要です。



その時に大事なのは、抗生剤で治療を始める前に

痰の培養をしておく、って事です。

抗生剤を使って細菌が死んでしまった後に培養したら、

原因がわかんなくなっちゃいますからね。



完全に抗生剤で細菌が死んで肺炎が治れば、

もちろんそれで良いんですけど。

最初の抗生剤が効かなかった場合、

痰培養の結果を見て、別の薬を使わないと

治療がうまくいきませんから。



だから、前回学んだ「痰培養」という検査は

肺炎の治療を行う上ですごく大事なんですよ。



普通の細菌性肺炎とはちょっと別に分けられる、

「マイコプラズマ肺炎」という子供なんかに多い肺炎でも、

マイコプラズマに効果がある抗生剤で治療が行われます。



真菌(カビ)が原因の場合は、特殊な検査をしないと

わからないんですけど。

真菌が原因だ、と診断がつけば、真菌に対する抗真菌薬

というのがあるので、それで治療します。



ウイルス感染が原因の肺炎の場合は、

ウイルスに効果のある抗生剤っていうのは

基本的にはないので、安静にして、脱水にならないように

水分を摂る、というのが治療になります。



原因に対する根本的な治療以外の事を、

症状に対する治療、という事で対症療法と呼びます。



対症療法には、痰を出しやすくする薬とか、

咳がひどい場合は咳止めとか、高熱が出て

脱水になったり全身衰弱が強い、という場合は

熱を下げるような薬を飲んでもらう事もあります。



そんな訳で、本日は「肺炎の治療」についてでした。

そいじゃあ、今日はここまで。

いつものように、下にまとめを書いておきまーす。



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【今日のまとめ】                            
             

 ●肺炎の治療

  ○根本的な治療は肺炎の原因である細菌を殺す、

   抗生剤を使った治療。

  ○細菌によって異なる抗生剤が必要なので、

   痰培養の検査を行う事も重要。

  ○対症療法として、痰を出す薬、咳止め、

   解熱剤による治療もある。

  ○もちろん、安静にして脱水にならないように

   水分を十分に摂る事も大事。



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【編集後記】

肺炎に関してもそろそろ終了ですよ。

基本的には、医師に出してもらった薬を飲む、

って事なんですけど、中途半端で終わらせないで、

7日分だったら7日分全部飲むのが大事ですよ。

そうじゃないと、ちゃんと治りませんから。



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だいぶん暖かくなってきましたね。

つい、この間は北海道とか東北では

大雪で死人まで出たのに。

そろそろ春ですかねー。













































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