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「やぶ医師のひとりごと」 誤嚥性肺炎とは

「やぶ医師のひとりごと」 誤嚥性肺炎とは

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 ◆  やぶ医師のひとりごと    第 371号  ◆
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   2013年3月15日発行 購読者数 8715名
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  <本日のテーマ> 誤嚥(ごえん)性肺炎とは
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皆さん、こんにちは。

今回から購読して頂いた方、はじめまして。

循環器内科医のDr. Iです。



今週も「肺炎」について。

まずは、先週までの復習。



 ●肺炎とは

  ○肺に細菌やウイルスが入って、炎症が起きる病気。

  ○肺炎の症状は、高熱、咳、痰、など

  ○日本の死因の第3位が肺炎で、年々増えている。

  ○肺炎で亡くなる方のほとんどは高齢者なので、

   特に高齢者の肺炎は要注意。



 ●肺炎の種類、原因

  ○感染性肺炎

   ▲細菌性肺炎

   ▲ウイルス性肺炎

   ▲マイコプラズマ肺炎(非定形肺炎)

   ▲真菌性肺炎

  ○感染性以外の肺炎

   ▲リウマチ、膠原病、薬剤などが原因の

    間質性肺炎など。



 ●肺炎の症状

  ○咳、痰

  ○高熱

  ○呼吸困難、食欲低下、胸痛、など



 ●肺炎の検査、診断

  ○問診

  ○身体所見の診察

  ○胸部レントゲン写真

  ○胸部CT

  ○血液検査

  ○培養検査



 ●肺炎の治療

  ○根本的な治療は肺炎の原因である細菌を殺す、

   抗生剤を使った治療。

  ○細菌によって異なる抗生剤が必要なので、

   痰培養の検査を行う事も重要。

  ○対症療法として、痰を出す薬、咳止め、

   解熱剤による治療もある。

  ○もちろん、安静にして脱水にならないように

   水分を十分に摂る事も大事。



肺炎というのは、肺に炎症が起きて、

咳や痰、高熱、などの症状が出る病気です。



日本の死因の第一位はガン、二位は心疾患、三位は脳卒中、

というのが、ここ20年位続いていたんですが、2011年

からは、肺炎が第三位になって、どんどん増えています。



そんな肺炎の原因として最も多いのが細菌で、

特に肺炎球菌や黄色ブドウ球菌などの細菌が多いです。



肺炎の症状で多いのは、咳、痰、高熱などで、

重症になると呼吸が苦しくなるし、脱水になると

全身がだるくなって、食欲が低下する事もあります。



肺炎と診断するために最も重要なのは問診で、

それ以外に胸部レントゲン写真や胸部CT、

採血や痰の培養検査なんかも行います。



肺炎の原因で最も多いのは細菌ですから、

肺炎の治療は抗生物質という細菌を殺す薬がメインです。

それ以外に、痰を出す薬や、場合によっては咳止め、

そして脱水があるようなら点滴の治療もしますよ、

って話でしたね。



  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆    



そいじゃあ、今週も肺炎について。

今日は、肺炎のなかでもちょっと特殊な肺炎である

「誤嚥性肺炎」について説明していきますよ。



 ●誤嚥(ごえん)性肺炎とは

皆さんは、ご飯を食べたら歯で噛み砕いて、

それを飲みこみますよね。

医学用語で、噛み砕くって事は咀嚼(そしゃく)、

飲み込む事は嚥下(えんげ)と呼びます。



そいで、急いで食べたり飲んだりしていて、

気管に食べ物や飲み物が入って、ゲホッとかオエッ、

ってなった事ありませんかね。



呼吸して空気を吸い込むのもノドを通るし、

ご飯や飲み物を食べたり飲んだりした物もノドを通ります。



普通の人はご飯を食べたり飲みこんだりする時に、

気管にある蓋みたいのが閉じるようになっていますから、

食べ物や飲み物が気管に入る事はないんですよ。



でも、焦っていたり急いだりすると、蓋を閉じるのが

間に合わなくて、気管の中に食べ物や飲み物が

入ってしまう事があるんですよ。

こういうのを「誤嚥(ごえん)」と言います。



間違って嚥下してしまう、っていう事なので、

漢字の通りですよね、意味は。



普通の人だったら、間違って誤嚥しても、ゲホゲホッ、

ってなって喉からそれを外に出すような機能が働きます。

これは医学用語で「嚥下(えんげ)反射」と言います。



でも、脳卒中になってしまった人とか、パーキンソン病、

アルツハイマー型認知症(痴呆)の人なんかは、

この嚥下反射が落ちてしまう事が多いんですよ。

こういう病気がなくても、高齢者になると落ちますけどね。



だから、間違って誤嚥してしまったら、普通の人だったら

嚥下反射が働いて、ゲホゲホッって食べ物なんかを

外に出してしまう事が出来るんですけど。

外に出せないで、そのまま肺の中まで入る事があるんです。



普通の人でも、人間の口の中には、細菌が存在します。

口の中にいるだけなら問題ないんですけど、

食べ物のカス等と一緒に菌も肺の中まで入ってしまうと、

そこで炎症が起きて、誤嚥性肺炎になってしまいます。



ちなみに、食べ物だけでなく、自分で出す唾液とか、

胃液なんかが肺の中に流れ込んでしまって、

誤嚥性肺炎になってしまう場合もありますから。

食事をしていなくても、嚥下反射が低下していれば、

誤嚥性肺炎になってしまう事もあるんですよ。



誤嚥性肺炎の治療なんですが、細菌も一緒に肺に入って

そこで炎症を起こして肺炎になっている訳ですから。

治療としては、抗生物質を使う事になります。



誤嚥性肺炎はただの肺炎よりも、重症化しやすいので、

酸素化が悪くなるようであれば、酸素投与の治療も行います。



高齢者の場合は死亡率も非常に高いですから、

要注意ですよ。



そして、誤嚥性肺炎は、ある程度予防する事ができます。

予防法の第一は、口腔内のケアです。



口の中にいる菌が肺に入って炎症を起こして

誤嚥性肺炎になる訳ですから。

口の中をきれいにして、菌の数を減らせば、

誤嚥性肺炎になる確率を減らす事ができるんですよ。



二つ目は、食後に横にならないで座っている事です。

食べた後、すぐに横になると、胃液が逆流して

誤嚥してしまう事があるので、これを防ぐのも重要です。



それと、もう一つは、薬を飲む事です。

脳梗塞の薬とか、高血圧の薬の中で、副作用で

咳反射を増やしてしまうような薬があるんですよ。

これを逆手にとって、誤嚥した時に咳とかを出して、

誤嚥性肺炎を予防しちゃおう、って発想ですね。



実際、これらの薬を使ったら誤嚥性肺炎が減った、

というデーターがたくさんあるので、予防的な治療

として使われている場合も多いです。



そんな訳で、本日は少し変わって「誤嚥性肺炎」についてでした。

そいじゃあ、今日はここまで。

いつものように、下にまとめを書いておきまーす。



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【今日のまとめ】                            
             

 ●誤嚥(ごえん)性肺炎とは

  ○食べ物や飲み物、唾液や胃液を誤嚥して、

   起きてしまう肺炎の事。

  ○誤嚥性肺炎の治療は抗生物質。

 ▲誤嚥性肺炎の予防

  ○口腔内のケア

  ○食べた後、すぐに横にならない。

  ○飲み薬


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【編集後記】

今日は、肺炎の中でも特殊な誤嚥(ごえん)性肺炎についてでした。

高齢者の中でも特に増えていて、他の肺炎と比べて、

死亡率も高いので注意が必要なんですよ。



家で誤嚥した場合であれば、普通の抗生物質が効くんですけど、

施設や病院の肺炎だと、耐性菌という普通の抗生剤が効かない

特殊な細菌で誤嚥性肺炎になる事もあるので、

かなり手ごわい存在です。



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施設で呼吸が苦しいって救急車で来る患者の

何割かは誤嚥性肺炎のような気がします。

病院の種類にもよるんでしょうけどねー。

結構、亡くなる方も多くて大変です。














































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