「やぶ医師のひとりごと」 肺炎の検査、診断
「やぶ医師のひとりごと」 肺炎の検査、診断
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ やぶ医師のひとりごと 第 369号 ◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2013年3月1日発行 購読者数 8728名 ─────────────────────────── ブログ:「健康、病気なし、医者いらず」 http://kenkoubyoukinashi.blog36.fc2.com/ HP:「病気の症状と予防」 http://www.yabuishi.com/ _________________________ <本日のテーマ> 肺炎の検査、診断  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 皆さん、こんにちは。 今回から購読して頂いた方、はじめまして。 循環器内科医のDr. Iです。 今週も「肺炎」について。 まずは、先週までの復習。 ●肺炎とは ○肺に細菌やウイルスが入って、炎症が起きる病気。 ○肺炎の症状は、高熱、咳、痰、など ○日本の死因の第3位が肺炎で、年々増えている。 ○肺炎で亡くなる方のほとんどは高齢者なので、 特に高齢者の肺炎は要注意。 ●肺炎の種類、原因 ○感染性肺炎 ▲細菌性肺炎 ▲ウイルス性肺炎 ▲マイコプラズマ肺炎(非定形肺炎) ▲真菌性肺炎 ○感染性以外の肺炎 ▲リウマチ、膠原病、薬剤などが原因の 間質性肺炎など。 ●肺炎の症状 ○咳、痰 ○高熱 ○呼吸困難、食欲低下、胸痛、など 肺炎というのは、肺に炎症が起きて、 咳や痰、高熱、などの症状が出る病気です。 日本の死因の第一位はガン、二位は心疾患、三位は脳卒中、 というのが、ここ20年位続いていたんですが、2011年 からは、肺炎が第三位になって、どんどん増えています。 そんな肺炎の原因として最も多いのが細菌で、 特に肺炎球菌や黄色ブドウ球菌などの細菌が多いです。 肺炎の症状で多いのは、咳、痰、高熱などで、 重症になると呼吸が苦しくなるし、脱水になると 全身がだるくなって、食欲が低下する事もあるよ、 って話でしたね。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ そいじゃあ、今週も肺炎について。 今日は、「肺炎の検査、診断」についてです。 ●肺炎の検査、診断 ○問診 毎回、このメルマガでも書いていますけど。 どの病気を診断する時でも、最も重要なのが問診です。 問診というのは、名前の通り、患者さんに問いかけて 診察する、というものです。 肺炎の場合は、咳や痰などの症状が普通はありますから、 そういう症状がいつからどのくらい続いているのか。 熱はあるのか、あるならいつから何度くらいか。 それ以外にも息苦しいか、食欲はあるのか、 など、患者さんに話を聞いて診断の参考にします。 ○身体所見の診察 肺に炎症反応があると、肺の音を聞いた時に 雑音がする事があるんですよ。 テレビや映画なんかで、お医者さんが肺の音を聞いて、 「肺炎になっていますから入院しましょう」 みたいなセリフ、聞いた事ありませんか。 肺の音だけで肺炎と診断するのは、難しいですが、 肺に雑音があればただの風邪じゃなくて肺炎になっている 可能性がありますから、もう少し検査した方が良いです。 ○胸部レントゲン写真 肺炎というのは、肺に炎症がある状態です。 これもテレビや映画の話になりますけど、 「肺炎になって肺が真っ白になっています」 みたいなセリフ、聞いた事ありませんか。 レントゲン写真って、影を写しているんですけど。 肺というのは、空気が入っているので、 基本的には黒く見えるんです。 でも、肺炎の場合は肺に炎症があるので、 白っぽく見えちゃうんですよ。 文章だとわかりにくいんで、 写真を載せますので、ちょっと見て下さいね。 参照:メディカルタウン「細菌性肺炎」 http://medical.itp.ne.jp/sickness/dic/encyclopedia/23-kokyu/0562-35.html 真ん中くらいにあるのが、胸部レントゲン写真です。 写真の真ん中付近にある、丸っこいのが心臓で、 両脇にある黒っぽいのが肺です。 写真の右側に矢印が書いてありますよね。 その先に白っぽくなっているのが、肺炎の影です。 写真の左側も肺なんですけど、左側は正常の肺で 白い所はほとんどなくて、黒っぽいですよね。 こういうのを見て、肺炎と診断します。 ○胸部CT レントゲン写真というのは、影を見る写真なので。 胸部の場合は、例えば心臓の裏側に肺炎があると、 心臓の影が邪魔で肺炎かどうかわからないんですよ。 胸部レントゲン写真だけでは肺炎と診断できない、 そういう時は、必要に応じて胸部のCTを撮ります。 CTというのは、体を輪切りに細かく切って、 写真を写す検査なので、心臓の裏側にあるような わかりにくい肺炎とかでも見つける事ができるんですよ。 ○血液検査 血液検査を行うと、炎症反応があるか、 炎症反応が高いのか、という事がわかります。 肺に炎症が起きるのが肺炎ですので、 血液検査をすれば、炎症の程度がわかります。 ただ、例えば尿路感染とか他の部位に感染があっても 血液検査上は炎症反応が上がりますから。 症状やレントゲンなどの画像検査などと合わせて、 総合的に診断をする必要があります。 ○培養検査 肺に細菌とかが入って炎症が起こると、 人間はそれを殺して外に出そうとする、 自然治癒力が働きます。 その結果、痰や咳が出る、って事は この間も書きましたよね。 肺炎の場合、肺に炎症が起きて痰が出るから、 痰の中にも細菌は入っているんですよ。 痰の培養をして、細菌が中にいれば細菌が増えるから、 どんな細菌が原因で肺炎になっているか、 という事がわかります。 細菌の種類によって、治療で使う抗生物質の 種類が変わりますから、大事な検査なんですよ、これ。 それと、肺炎が悪化すると、血液の中まで細菌が 入り込んでしまう、っていう事もあるんですよ。 こういうのが疑われる場合は、血液の培養も行います。 ちなみに、結核でも咳や痰が出て熱が出る、 という同じような症状が出る事もありますから。 細菌培養と一緒に結核菌の培養を行う場合もあります。 そんな訳で、本日からは「肺炎」についてでした。 そいじゃあ、今日はここまで。 いつものように、下にまとめを書いておきまーす。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【今日のまとめ】 ●肺炎の検査、診断 ○問診 ○身体所見の診察 ○胸部レントゲン写真 ○胸部CT ○血液検査 ○培養検査 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【編集後記】 本文の中の検査には入れていませんけど、 熱を測るっていうのも診断には大事な事ですよ。 それと、肺炎の場合は、痰の中に細菌がいるので、 痰に黄色とか緑色とか、色がついている場合が多いんです。 Dr .Iのブログはこちら! ○「健康、病気なし、医者いらず」 http://kenkoubyoukinashi.blog36.fc2.com/ 「やぶ医師のひとりごと」のバックナンバーは、 このホームページで公開されていますから。 こっちも読んで、復習してね! ◎「病気の症状と予防」 http://www.yabuishi.com/ ○「やぶ医師のひとりごと」、バックナンバー http://archive.mag2.com/0000180417/index.html Dr. Iの無料レポート集でーす! ★日本一わかりやすい!「高血圧」 http://www.muryoj.com/get.php?R=826&M=874 ★日本一わかりやすい!「糖尿病」 http://www.muryoj.com/get.php?R=824&M=874 ★「大学病院のうそ」~現役医師(Dr. I)が暴露する、 大学病院の秘密 http://mailzou.com/get.php?R=442&M=385 ★「医者のホンネが丸わかり!(改)」 http://www.gekizou.biz/report.php?aid=1971&cid=9539 ★気をつけて!死んじゃうかも! フライトの旅行で注意すべき病気! http://mailzou.com/get.php?R=3920&M=385 これらの無料レポートをダウンロードすると、 他のメルマガにも自動で登録されますよ。 必要なければ、自分でメルマガを解除して下さいね! 【クリック募金のお願い】 読者の皆様へお願いです。 クリック募金に参加しています。 http://www.dff.jp/ このサイトには、8の募金サイト(企業)があります。 各サイトを1日1回だけクリックすると1円の募金が出来ます。 あなたに代わって企業が寄付する仕組みなんですよー。 私と一緒に、1日1回8クリックして社会に貢献しませんか? ↓ ↓ ↓ http://www.dff.jp/ ------------------------------------------------------------ ● はじめて購読された方へ このメルマガの内容については悪用しなければ、 あなたのメルマガ、ブログへの引用、転載は自由です。 (著作権を放棄するものではありませんので、あしからず) その時には、必ず出典を明記してくださいね! メルマガ名:「やぶ医師のひとりごと」 URL: http://www.mag2.com/m/0000180417.html 無料レポートをご請求いただいた方は サイトに記載のとおり代理登録させていただいています。 私は複数の無料レポートを配布しており、無料レポートは、 代理登録をご了承いただく方へ限定でお送りしています。 配信解除をご希望の方は下記のURLよりお願い致します。 http://www.mag2.com/m/0000180417.html 【注意・免責事項】 ●一般の方向けの内容なので、なるべく医学用語は避けて 簡単な表現を使用しております。 ●ご自分の責任の範囲でご利用ください。 記載内容を利用し生じた結果について、 当方では責任がとれませんのでご了承ください。 ●メルマガで紹介した商品、無料レポートの購入、 購読に関しては、自己責任で行って下さい。 頂いたメッセージには全て、目を通させて頂いております。 メルマガに直接返信していただいても届きますよ。 ご質問ご意見ご感想 お待ちしておりまーす。 → yabuishi2000@yahoo.co.jp 読者の皆様から送られたご意見、ご感想の一部は、 このメルマガに掲載させて頂く場合がありますよ。 もし御迷惑でしたら、「掲載不可」と書いて下さいね。 ============================ 購読ありがとうございます。 【連絡先】 yabuishi2000@yahoo.co.jp 【発行者】 Dr. I 【登録・解除はコチラ】 http://www.mag2.com/m/0000180417.html 【ブログもよろしく】 健康、病気なし、医者いらず http://kenkoubyoukinashi.blog36.fc2.com/ やぶ医師のつぶやき http://blog.m3.com/yabuishitubuyaki ホームページ: 「病気の症状と予防」 http://www.yabuishi.com/ ============================ だんだん暖かくなってきましたけど、 患者さんの数は何故か減らないですねー。 どうしてでしょうか。 (「やぶ医師のひとりごと」は 「まぐまぐ」を利用して配信しています。 まぐまぐさん、いつもありがとうございます!)